山崎貴子ヴァイオリンリサイタル

2005年4月17日 東京オペラシティ リサイタルホール 15:00開演
ヴァイオリン:山崎貴子 ピアノ:蓼沼恵美子

山崎貴子さんは芸大卒業後海外で研鑽を積まれ、ティボール・ヴァルガ、ヴィットリオ・グイなど数々のコンクールで優勝された実力派のヴァイオリニストです。帰国され、日本での演奏活動を本格的に開始されるとのこと。今日は全てがメインディッシュとも言うべきチャレンジングなプログラムを堪能させてもらいました。彼女の演奏は初めて聴いたのですが、太さと奥行きある音、自然に音楽に沿うような演奏に魅了されました。特にバッハは素晴らしかったです。常々バッハの作品って神様が降りてきやすいと思うのですが、山崎さんの演奏にもそんなことを感じました。ご本人は全くニュートラルな状態で、何かに弾かされているというような、そんな全く我の入っていないバッハって大好きです。山崎さんの演奏は決して感情のレンジが大きいと言う訳でもなく、極度に繊細というわけでもなく、穏やかさと暖かさに満ちています。で、いつまでも耳を傾けていたいというヴァイオリンなんですよね。それと、この日のピアニスト蓼沼恵美子さんも素晴らしかったです。ピアノの責任が二分の一、というようなプログラムばかりなのに、上品で余裕のある演奏でした。本当に日本人の演奏家のレベルは高いです。とても心が温かくなるような演奏会でした。