ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 庄司紗矢香

2005年4月29日(金・祝) 14:45開演 東京国際フォーラムA

話題のラ・フォルネに行ってまいりました。これはフランス、ナントで行われている音楽祭を日本でやってみようという画期的なこころみ。1回の公演時間を45分程度にし、チケット価格も平均1500円程度、3日間東京国際フォーラムに設けられた数箇所の会場が音楽漬けという企画です。オーケストラ・室内楽・リサイタルと映画上映などもあり、内容も多彩。他にも無料コンサートや野外でのパフォーマンスもあるようですね。今回のテーマは「ベートーヴェン」なのですべてのプログラムがベートーヴェンです。ベートーヴェンファンにはたまらない企画でしょうね。実際今日国際フォーラムに行ってびっくりしたのはその盛況ぶり。GW突入とあっていつもの土日より人の少ない銀座・丸の内周辺にも関わらず、人とぶつかりつつ歩かざるを得ない混雑状態。よくクラシックは垣根が高いと言われますが、その垣根はチケットの値段かと思うほどでした。ウィーンのホイリゲをイメージした出店や、お土産ショップなども出店していて、いずれも大盛況。本当に好ましい光景で、お祭り気分も堪能できました。仕掛人は凄い・・
ただですね、会場は国際フォーラムなのです。今回はまた一番大きい会場でした。ベートーヴェンのオケの編成だと舞台の半分で済んでしまうほど会場が大きいんです。会場のせいもあってか前半はヴァイオリンソロがオケに埋もれてしまって庄司もいいとこなし。音程ミスも気になり、非常に弾きにくそうな雰囲気を感じました。また、今回は乳幼児の入場がOKなので、3楽章の世にも美しいヴァイオリンソロのところで子供の泣き声。これには会場も一瞬硬直状態・・・・。しかも会場が広いのでなかなかお母さんも泣く子供をつれて会場を離れることが出来ず、結構な時間その泣き声が響きわたってました。一瞬観客の意識が離れた危機を感じたせいもあるのでしょうか、庄司は3楽章はぐんぐん調子を上げ、本当に美しいソロを聴かせていました。カデンツァの早弾きは言葉が出ないほどでした。「バリバリ弾く」という表現がピッタリ。あの華奢な体とあの逞しい音と早弾きは容易に結びつきません・・。しかし彼女はただそつなくこなす優等生と違って、ものすごいパワーを秘めているヴァイオリニストということが分かってよかったと思います。オケのポワトゥ・シャラント管弦楽団は初めて名前を聞くオケですが、素晴らしくまとまった良い演奏でした。フランス人のオケということもあって皆雰囲気がカッコいいし←Prejudice・・・。オケだけのプログラムも聞きたかったなぁ・・・・。
今日のコンサートはそんな訳で45分でおしまい。やっぱり物足りないものです。今回はこの1回しか行かないのですが、やはりこれはある程度時間を取って、いくつか会場をはしごするべきです。ちょっと後悔してしまいました。でもねぇ、やっぱり会場が国際フォーラムじゃ二の足踏んでしまうでしょう?