アール・デコ展

東京都美術館で親類が出展している展覧会があったので、ついでに鑑賞してきました。普段美術関係には疎いので、機会がないとなかなかアートに触れる機会がないのでとても楽しかったです。しかし私は「アール・デコ」というもの自体まったく解っておらず、「デコラティブなアート?」と勝手なイメージができておりました。「乙女とか天使とかギリシャ風のキンピカ装飾のインテリアとか?」なんつうイメージで入ってみたものの、全然違うのね。もちろん中にはそういうのもあるんだけど、1920年〜30年代という既にグローバルな世の中で、世界中のアートのいいとこ取り、アフリカンありアジアンありポップ・アートの走りあり、とにかく「なんでもあり」なのでした。いいとこ取りの反面、「芸術」と「産業」の相反するもののせめぎ合い(オートクチュールとプレタのせめぎ合いにも象徴されるのかな?)非常にスリリングなものを感じさせられました。グローバリゼーション、と簡単に言うけれど、通信技術や交通網の発達などは実は一次対戦の産物だったりする訳で、戦争によって一気に世界が活性化し、あの混合文化が生まれたかと思うと複雑な思いもします。それに産業発達の陰には様々な公害、過酷な労働で戦争と同じくらい犠牲になった人がいるのです。でも「産業」発達のおかげで私のような庶民も文化を享受できる良い時代が現われたのだし、またまた複雑・・な思いも。
会場で人目を集めていたのはカルティエのエメラルドのネックレス。とにかく大きいエメラルドにビックリ。こんなの贈られた人もいるんだぁ・・・「タイタニック」の一シーンを思い出した私でした。その後ろにはシャネルやランヴァンなどの優雅なイブニング・ドレスもあったりしましたが、「絶対自分には似合わないだろう・・・」という悲しい確信と共に美術館を後にしたのでした。