ホリエモン事件

幼少期、私はフジテレビの番組を親に見せてもらえませんでした。その時は「ひょう○○族」などが流行っていてその真似をするクラスメートについていけず、悲しい思いをすることもありました。ちなみに小学生の頃、クラスでは親にテレビを見せてもらえない子、NHKのみ許されている子もいました。けして私が例外ではなかったと思います。中・高生になり、ラジオが聞きたいと思っても「オールナイトニッポン」は親が良い顔をしないので、隠れて聴いていたものです。私の両親は、大人になってきちんと善悪の判断が出来るまで、できるだけ有害と思われるものから子供を避けるという教育方針だったようです。まあそれが良かったのかどうかはよく分かりませんが・・・。まあとにかくうちの両親にとってはフジテレビは子供に有害ということだったんでしょう。
今はもちろん普通に見ていますが、フジテレビというと「娯楽チャンネル」「楽しければいい」というイメージでしたし、今もそうです。なので、あんなに偉そうな大会社の役員さん達が出てこられると何か興ざめ。私ちょっと期待してたのはホリエモンがフジのオーナーになり、WWE(World Wrestling Entertainment)のオーナー、ビンス・マクマホンみたいにしょっちゅう番組に出てきて茶番を繰り広げる・・・みたいな展開。もちろんホリエモンは傀儡オーナーでいいんです。しかしまあ彼もフジテレビもそこまでの器じゃなかったんですね。
今回のホリエモン事件は野次馬的にはとても面白かったです。株が貸したり借りたりできるのとか初めて知ったし、いろいろなM&A用語など勉強にもなりました。白馬の騎士のSBIが現われたときには小説を読んでいるみたいにワクワクしちゃいました。さすが「面白くなければテレビじゃない」フジテレビらしく、素晴らしいエンターテイメントを提供してくれましたよね。会社の買収屋というと私は「プリティ・ウーマン」のリチャード・ギアなのですが、なるほどギアはあんな感じでビバリーヒルズのペントハウスに居を構えるほどの財を得たのねん、なんて実感できたり。
ただ、ラストは釈然としません。ほんと、ホリエモンって人はただの目立ちたがり屋。暴れ者ぶっていたけど、疲れちゃって、オジサン達に「大人の解決」してもらった訳でしょ。結局ネット、ネットというけど、ネットの将来像についてなんてビジョンが感じられないし、彼はやっぱりただの金融屋。ジャーナリズムを批判して「新聞なんか読まない、ネットでニュースを見てる」っていうけど、やっぱりそのソースって新聞なんだし、まだまだ玉石混交のネットの世界で「新聞なんかいらない」なんていうのは早すぎると思いますね。それに和解会見の服装はやっぱりダメでしょう。結局「大人の世界」でなんとか収拾つけてもらったんだから、最後くらい敬意を表することもしなきゃ。高級レストランにお金があるからってTシャツと破れたジーンズで行く若者みたいなものです。まあ、いまやそういうセンスの人ってたくさんいるんでしょうけどね・・・・