オペラ座の怪人、サンサーラ

今日は映画のはしごをしました。六本木ヴァージンシネマにて「オペラ座の怪人」、恵比寿写真美術館にて「サンサーラ」です。
まず、「オペラ座の怪人」・・・・これは行ってよかった〜♪いやぁ、ハマりそう。どうしよう、もう一度見に行きそう。まず、月並みですがあのジャー、ジャジャジャジャジャーというパイプオルガンのあまりにも有名なOverture(序曲)で胸が串刺しになりました。あの超単純な半音階の反復で「オペラ座の怪人」の世界の虜になってしまいましたね。さすが天才、ロイド=ウェーバー。話も単純。歌姫クリスティーヌに思いを寄せるファントムと貴公子ラウルとの三角関係。こういう三角関係、オペラにもよく出てきますが、思いつくところでは「トスカ」「アンドレア・シェニエ」「イル・トロヴァトーレ」など。まあ、もしオペラだったらたぶん誰かが死んで幕引きとなるでしょうが、結局貴公子との平穏な生活を選び生涯を終えたヒロインの墓に、怪人のバラが手向けてある・・というそら恐ろしいラストとなります。
アートにおいては向かうところ敵なしの天才ファントムと、今後の生活においては憂う心配なしの貴公子ラウル。温室育ちでお子ちゃまなクリスティーヌにファントムは「Make your choice!」と厳しい選択をせまります。しかし、このクリスティーヌという女性はもうイライラするくらい自分と言うものがありません。ラウルに口説かれればそっちに、ファントムに戻って来いと言われれば「はい」みたいな感じ。いくら子供でもその自分のなさはどうかと思いました。でも、最後はちゃんと自分の意志でファントムを選んだので「クリスティーヌ偉い!」と思っていたら、今度はファントムが「奴と行っちまえ!」なので、もぉぉぉ、あの執念は何だったんだか・・。そこが腑に落ちないところでした。つうか、多分オペラファンとしてはファントムとクリスティーヌの心中みたいなラストじゃないと落ち着かないんでしょうね。
俳優陣はほとんど無名の若い人たちでした。ファントムのジェラルド・バトラー(いい名前ですね。)、セクシーで素敵でした。いいなぁ、あのピラピラしたシャツで胸はだけてたりして、で、ハイウエストのパンツ。それからドンファンの衣装(ああいう「マスク・オブ・ゾロ」みたいな衣装で見栄を切ると誰でもカッコいいのかもしれませんが・・)。「You are not alone.」とクリスティーヌに言われ、キスされたときのあの嬉しそうな表情。あそこはぐっときました。欲を言えばもうちょい歌が上手いといいんだけどね・・。なんか肝心なところを言葉で逃げるのはいかがなものか。歌はラウルほほうが上手かったですね。
気に入った曲はファントム作の「ドンファン」(なぜにドンファンか?天才ならオリジナル出せよ〜。ちょっとコケましたわ。)の中で歌われるデュエット「The Point of No Return」。スペイン風の哀愁ただようメロディがとても素敵でした。しかし、ファントムがクリスティーヌを後ろから抱きしめて歌う、なんともセクシーなシーンで、ヨダレもの。かなり羨ましかったですね。後ろ抱き、お姫様抱っこは女性の憧れ。
一緒に行った先輩に「才能か金かの二者択一、かなり厳しかったですね。」と言ったら「あれだけ才能があれば印税とか著作権とかでお金の心配もないよ。」だって。ファントムのほうがカッコいいし、やっぱ最初から迷う必要なかったんじゃない?
さて、「サンサーラ」。これは主人公のサンサが自分探しの旅と称し世界中を旅する話です。フランスから始まり、ハンガリー、スペイン、ポルトガル、ロシア、東京、インド、エジプトなどかなり広範囲。文明国でかならず窮地を救ってくれる老音楽家役に世界的ヴァイオリニストのイヴリー・ギトリスが出演しています。彼との演奏会にマルタ・アルゲリッチも出てきたりして、割とクラシックマニアには嬉しい映画でした。ギトリス、いい味だしてます。味のカタマリみたいなものです。これには安部譲二も出ててます。お奨めです。うーん、サンサーラについてはコメント短すぎですね。なにしろオペラ座の怪人インパクトが強くて。恵比寿ガーデンプレイスにディスプレイされているバカラのシャンデリアを見て「The Pha----ntom the Opera is there〜♪」とか歌いだす始末。馬鹿・・・