赤いアモーレ

昨日、六本木ヒルズのヴァージンシネマにて鑑賞してきました。
舞台はローマ、リッチな医師のティモがスラム街の娼婦イタリアに出会い、強く惹かれあう話。つまらないかもなぁ、と思いつつ、イタリア語が聞きたかったので見に行きました。予想に反してとても良かったです。特にティモ役のセルジオ・カステリットはかなり私の理想の顔なんですよね〜。まあそれで嬉しくなってたということかもしれませんが。
話はわき道まったくなしの愛の物語。冷たい夫婦関係に疲れているティモは、ペネロペ・クルス演じるイタリアとの愛にのめりこんでいきます。イタリアと妻が同時に妊娠し、身を引くため粗雑な方法で中絶したのが原因で逝ってしまう哀れなイタリア。最初から最後まで、愛、愛、愛、愛・・・・かなりテンション高いです・・。
ティモとイタリアの愛は、余裕一切なしの野良犬同士の愛情という感じですが、反対にティモと妻との愛は、互いを「アモーレ」と呼びつつも、心は離れています。表面的に良い夫婦に見えても仮面をかぶっていることもあるんですね。今回いろんなことを考えさせられました(ほんっとにシンプルな話なので、考えさせられることは山ほどありました)。
ペネロペ・クルスが演じた(これは迫真の演技!)貧しくても誇り高く、女性の強さと寛容さを持ち合わせた娼婦。「私を捨てたら殺すわよ」という台詞の迫力あること。彼女は自分に与えられた境遇に耐えるだけの強さがあり、けして卑屈にならない女です。本当のプライドの高さというのは我儘であるのとは異質なものですね。あらゆる恥辱を正面から受け止める強さが本当のプライドだと考えさせられました。
ティモは外科医なのですが、患者の執刀中に同僚が手術室に入ってきて、「あんたの娘がバイクで事故った!手術どころじゃないよ!」と言います。で、ティモは患者そっちのけで手術室を飛び出します。私はローマじゃ病気になれない・・・と思いました。