新国「ばらの騎士」

SpectredelaRose2007-06-20

Too much ご褒美企画第2弾。このバラはホワイエにあったものです。




この日の特別カクテル「オクタヴィアン」
ばらのリキュール+白ワインの甘〜いカクテル。
ちなみに2度目の休憩にはカヴァ「フレシネ・コルドン・ネグロ」を頂きました。


半休を取って「平日14時開演のオペラ」にデビューしました。・・・すっかり味をしめてしまいました。客層も落ち着いていますし、ああ、いいなぁ、贅沢してるなぁとしみじみ。
しかし、昨日はヴェルディの「ファルスタッフ」でイタリア物なのですが、どうも2日続けてドイツオペラを聴いたような気がしちゃって。昨日のファルスタッフは時折「・・・ワーグナー?」って感じだったのです。なんかね。

リヒャルト・シュトラウスのオペラ「ばらの騎士」は、ウィーンが舞台です。元帥夫人マリー・テレーズと若い恋人(メゾソプラノが男装して歌います)が旦那の留守中に優雅にイチャイチャしている。やがてその若い恋人の気持ちが他の若い娘に移ってしまうのですが、そこを大人の女がぐっとこらえて身を引いてやる、まあざっとこういう話です。

ワタクシはやっぱりエレナ・ツィトコーワ扮するオクタヴィアンにやられてしまいました!2幕でばらの騎士として現われた時は彼女(彼?)の背中に大きな羽飾りが見えたことです。

彼女のオクタヴィアンはたとえて言うならば・・・・
セルゲイ・ナカリャコフ
レオナルド・ディカプリオ@クイック・アンド・デッド
・・・私にはこ〜んな感じに見えてしまいました。

素晴らしいマダムを夢中にさせるオクタヴィアン、ただものではありません。愛人だけどヒモじゃないし。ホントに気持ち一つで元帥夫人の傍にいる。「君は僕のものだ」いう男性はあまたいても「僕は君のものだ!」という人がいるでしょうか?これはマダムもたまりませんて。

あと、カミッラ・ニールント扮する元帥夫人は、それ以外の人を当てたくないほどはまり役に思えました。意外と出番が少なくて、1幕と3幕の終わりにだけ出てくる役だったのですが、舞台に出ていなくてもその存在を感じさせる存在感といいましょうか。上品な歌唱とあいまって、すばらしい元帥夫人でした。しかし、最後皆で悪役のオックス男爵を吊るし上げるシーン、ここで満を持してトラブル処理に元帥夫人が現われるのですが、その采配具合は悪いけどおもろい。「ウィーン風の茶番劇でしたの」と警官に言う台詞、はっきりいって無理矢理。「貴族は笑って負けを認めるものです!」(キッ!と睨む)・・・ここであっさり諦めてくれたオックスが相当良い人だと思う。

でもやはり、最後の元帥夫人、オクタヴィアン、ゾフィーの三重唱はジーンとしました。元帥夫人、もはや聖母様の域!

今日のカーテンコールにはこの「ばらの騎士」と「ファルスタッフ」で新国を去るトーマス・ノヴォラツスキー芸術監督がツィトコーワに導かれて出てきました。わー、もう最後なんて泣けちゃうなぁ・・・ なんかノヴォさんも神妙な顔をしてました(涙をこらえてたのかな・・?)。一からノヴォ体制を作って4年間頑張っていらしたんだもの。ノヴォさんってオペラ劇場の入り口で必ず目に入る人で(体が大きいから)、ああ、今日もノヴォさんいるな、ってなんだかホッとする存在だったのです。良い歌手を連れてきてくれたし。フランスやドイツのオペラを沢山聞かせてくれたし。本当にお疲れ様でした。
ノヴォさん、4年間どうもありがとう!

【公演詳細】
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000059.html