モーツァルト!

2005年8月15日(月)17:45開演 帝国劇場


あえて何も期待せずまっさらな状態で行ってきたら、意外に良かった・・・(なんて言ったら怒られるかしら)。今までなかなかミュージカルと良い出会いが出来ていなかったんですが、すっごく面白かったです。しかも今日は席が良かった。こんなセレブな席で見れたのは久しぶり。席ゲットしてくれた友人にひたすら感謝でゴザイマス。
モーツァルトといいますと、まったくまっさらな状態と言いつつも、映画「アマデウス」大好きっ子なので、才能はあるけどアホで単純、下世話な小男というのが私のモーツァルト像になっております。その天才性と人間性はまったく別個というようなイメージです。今回人間モーツァルトと一緒にずーっと影のように神童アマデ(サイレントロール)というのが出ていました。仕事をこなすのはその才能の象徴であるアマデで、アホで単純なモーツァルト自身ではない、なかなかこの演出が好きでした。しかしこの無茶苦茶可愛いアマデの子役、凄いです。小学生なのにすっごく複雑な段取りをちゃんと覚えて、舞台のあちこちから登場するし、いろんなきっかけを与える役だし、最近の子ってしっかりしてるわ〜、と妙に感心。私が小学生の頃だったら絶対覚えられませんわ・・・(--;)
モーツァルト役のよっしぃこと井上芳雄ですけど、熱演熱唱、どうもお疲れ様でございました。本当、こちらが申し訳なくなるくらい一生懸命でした。素晴らしいです。なので何もいう気になれないのですけど、ちょっといつになく高音域を叫んでしまっていたので、喉潰しちゃわないか非常に心配であります。叫んでも意外に演奏効果ありませんし、長く歌いたいのであれば喉を大切になさってくださいね。と老婆心はさておき、主役のよっしぃがまっさら真っ白(男の子なのにあの清純さはなんなんでしょう)なので、お陰で脇の役者さんの濃さとの対比が良い事良い事・・・。よっしぃに足りない色気・ワイルドさは脇からいくらでも頂けました。
父親役の市村正親、父親役のときはほとんどうつむいた芝居で、普段舞台に現われただけで雰囲気が変わるほどのオーラも今日は超等身大。オーラの量も自在に調節できるのか・・・と感心してしまいました。で、最後ファントムばりの仮面を被って謎のレクイエム依頼人で出てきたときは声のハリも違うしオーラ放出量も違うし、あああ、この人のファントムを見たかったよ〜〜としばし悔し涙。そしてコロレド大司教さんの山口祐一郎ですが、あの声量は何なんでしょう。一人だけ音量レベル間違えてないだろうかというくらい立派な声。この「モーツァルト!」はモーツァルトがロックスターという設定で・・・という噂を小耳に挟んでいましたが、いや、ロックスター役は山口祐一郎で決まりです。しかも何なのあの年季の入っていそうなケープさばき・・・。そういやこの人も元ファントム、ああ、見たかった・・・。市村、山口、両元ファントムは最高でした。
とただでさえ濃ゆい脇役陣にさらにお気に入り登場。シカネーダー役の吉野圭吾さんです。男版真琴つばさというか、木原敏江マンガのフィリップというか・・・妙に色っぽいビジュアル系の道化役で、またこれが私のドツボ(声がハスキーでなければもっと好きなのですけどね・・・)。もうその登場シーンは他のものは何も目に入らず、照明が暗くなろうが2列目にいようがずーっと目で追ってしまいました。しかし、あれはやっぱり見たくなかったですね、鳥刺しの衣装。仕方ないんですけどね・・・。
男性陣に比べると女性陣は歌唱の面で物足りなさを感じましたが、それぞれが役にあってて気持ちよく見られました。特にコンスタンツェの木村佳乃はチャーミングで良かったです。 やっぱり美人ですし、大勢の中でも自然と目立っていました。
それから音楽もテンポよくてすごく好きでしたね〜。上演時間3時間弱、結構長いはずなのに、すぐに終わってしまった感じです。また見たいくらいですが、あとは昼公演が多いんですよね。ちょっと休み明けは無理なので残念です。